コーヒー豆は、コーヒーの木になる赤い実(コーヒーチェリー)の種です。収穫した実から種を取り出して、乾かして、生の豆にするまでの方法を「精製方法」と呼びます。
同じ農園の同じ豆でも、精製方法が違うと風味ははっきり変わります。豆の説明に「ナチュラル」「ウォッシュト」などと書かれていたら、それが精製方法です。
主な精製方法と、味の傾向
| 精製方法 | やり方 | 味の傾向 |
|---|---|---|
| ウォッシュト | 果肉を取り除き、水で洗ってから乾燥させる | クリーンですっきり。個性はひかえめになりがち |
| ナチュラル | 果肉をつけたまま乾燥させる | 果実の風味が残り、個性が強い |
| ハニー | 果肉を一部残したまま乾燥させる | 甘みと果実感が強く出やすい |
| スマトラ式 | とても短い期間で乾燥させる | 独特の強いボディ |
ウォッシュト

いちばん広く行われている方法です。果肉を取り除き、種のまわりのぬめりを水で洗い落としてから乾燥させます。
欠点のある豆がまざりにくく、味がクリーンになります。そのかわり、個性はひかえめになる傾向があります。
ナチュラル

実を、果肉をつけたまま乾燥させ、そのあとで種を取り出す方法です。果肉の風味が豆に移り、果実のような個性が強く出やすくなります。
一方で、欠点のある豆がまざりやすく、味のクリーンさが損なわれることもあります。
ハニー

果肉を取り除いたあと、ぬめりや果肉をある程度残したまま乾燥させる方法です。中米のコスタリカで特に発達しました。甘みや果実感が強く出るのが特徴です。
残す果肉の量で、呼び方が変わります。決まった基準があるわけではなく、農園によって差があります。
- ブラックハニー。果肉をほぼそのまま残します。ナチュラルに近い、濃い風味になります。
- レッドハニー。果肉を4分の1ほど取り除きます。
- イエローハニー。果肉を半分ほど取り除きます。
- ホワイトハニー。果肉を9割以上取り除きます。
果肉を残したまま乾燥させるので、管理がむずかしい方法です。こまめにかき混ぜないとカビが生えることもあり、うまくいかないと、にごった発酵のにおいが出てしまいます。
スマトラ式
インドネシアの一部で行われている方法です。収穫の時期が雨季と重なるため、じっくり天日で乾かすことができません。そこで、とても短い期間で乾燥させます。
水分を多くふくんだ状態の豆になり、これが独特の強いボディを生みます。マンデリンが代表です。
新しい精製方法も
近年は、空気にふれさせずに発酵させる「アナエロビック(嫌気性発酵)」など、新しい精製方法も注目されています。これまでにない、個性的な風味が生まれています。
精製方法は、焙煎の深さや産地に慣れてきたら注目したいポイントです。選ぶ順番はコーヒー豆の選び方へ。


