コーヒーの味は、育った国や地域によって、おおまかな傾向があります。もちろん、同じ国でも地域や農園で味は変わりますし、傾向に当てはまらない豆もたくさんあります。ここでは、豆選びの手がかりになる「ざっくりとした傾向」を紹介します。
4つの地域で、まずざっくり

| 地域 | 風味の傾向 | 向いている焙煎 |
|---|---|---|
| 南米 | 酸味はおだやか。ナッツやチョコレートのような、コーヒーらしい風味 | 中煎り〜深煎り |
| 中米 | 明るく軽い酸味と、花のような香り | 浅煎り〜中煎り |
| アフリカ | いろいろな果実にたとえられる、個性の強い風味 | 浅煎り〜深煎り |
| アジア | ボディが強く、香ばしい | 中煎り〜深煎り |
南米
ブラジル
世界でいちばんコーヒーをつくっている国で、世界のコーヒーのおよそ3分の1を生産しています。酸味が弱くまろやかで、ボディは厚め。ナッツやカカオにたとえられる、いかにもコーヒーらしい味です。
標高の低い産地が多く、華やかな酸は出にくい環境です。最近は、手で摘み取った品質の高い豆も増えて、風味の幅が広がっています。
よく見かける「サントスNo.2」は、「サントス港から出荷された、No.2という等級の豆」という意味です。味を保証するものではありません。
コロンビア
ブラジルと同じく、酸味がひかえめで、コーヒーらしい風味が豊か。ただ、少しフルーツのような風味を感じる豆が多いのがブラジルとの違いです。南米と中米、両方のよさをあわせ持つコーヒーと言えます。
ペルー
クセがなく、クリーンな味わい。だれにでも好まれやすく、ブレンドの土台にも向いています。
中米
グアテマラ
中米らしい華やかで花のような風味の豆と、ずっしりとしたボディの豆、その両方がつくられています。地域による違いが大きく、中部のアンティグアなどは明るい香ばしさ、北部のウエウエテナンゴは重厚なコーヒー感が特徴です。
コスタリカ
中米らしい、花のような明るい風味。果肉を少し残して乾燥させる「ハニー製法」が盛んで、この製法の豆は、よく熟した果実やチョコレートのような、強い風味になることが多いです。
パナマ
クセはないのにクリアで、個性もしっかりある。柑橘系のフルーティさを持つ豆が多い国です。香りの強い「ゲイシャ」という品種で、世界から注目を集めました。
アフリカ
エチオピア
コーヒーが生まれた土地と言われる国です。柑橘、ベリー、りんご、桃、カシスなど、いろいろな果物にたとえられる強い果実味を持つ豆が多くあります。一方で、地域によっては、どっしりと重い苦味の豆もあります。イルガチェフェ、シダモ、グジ、ハラーなどの産地が有名です。
ケニア
多様な果実味を持ちながら、クリアな風味。印象としては、エチオピアとタンザニアの中間です。上質なものには、カシスのような奥深い風味を持つ豆もあります。
タンザニア
「キリマンジャロ」の名前で知られる国です。柑橘系の、クリアな風味を持つ豆が多くあります。
ルワンダ
近年、品質が上がって評価が高まっている国です。上品でクリアなフルーティさが特徴で、エチオピアと比べると、やや落ち着いたマイルドな印象です。
アジア
インドネシア
「マンデリン」や「トラジャ」で知られる国です。深煎りにすることが多く、強い香ばしさと豊かなコクが特徴です。
マンデリンは、口当たりがオイリーでまろやか。コクと苦味が豊かで、深い満足感があります。収穫の時期が雨季と重なるため、「スマトラ式」というとても短い期間で乾燥させる方法がとられていて、これが独特の強いボディを生んでいます。
パプアニューギニア
インドネシアと地理は近いのですが、風味はかなり違います。クリアで、ややスパイシーな香ばしさを持つ豆が多くあります。
ベトナム
世界で2番目にコーヒーをつくっている国です。その多くは「ロブスタ種」という品種で、強い苦味とコクが特徴。缶コーヒーなどによく使われています。
産地は、焙煎とセットで
同じ国の豆でも、焙煎の深さで味は大きく変わります。まずは好きな焙煎の深さを見つけて、そのうえで産地を選ぶと、好みに近い豆に出会いやすくなります。くわしくはコーヒー豆の選び方へ。

